三たん地方開発促進協議会
 
鯉のぼり職人の筆
奥田  稔さん(おくだみのる)
昭和19年
大宮町生まれ。
昭和48年
父の跡を継いで鯉のぼり
職人に。
「親父の口伝えで先祖は紺屋だったと聞いています。江戸時代の風習にあった武者幟を作っていたのが、親父の代から本格的な鯉のぼり作りになったのでしょう」。
鯉のぼり職人の筆
【1】下染めに使う「スリコミバケ」
【2】【3】【4】
ウロコや目の部分など、大小さまざまな筆を
使い分けます。鹿の毛のなかでも特に柔らかい
冬毛を愛用。

 わが子が健康ですくすくと育ってくれるようにと願いを託して優雅に大空へ舞う鯉のぼり。「手作りのものは、まるで生きているかのように泳ぐんですよ」と語る奥田さんは、型を使わず、昔ながらの手描きにこだわります。染料の墨は半年前から練り、顔料の性質にあわせて黒は初夏から秋にかけて、赤は冬にと時期をずらして手染めします。そのため、1年がかりで作れる鯉のぼりはわずか20体ほど。「子どもたちの夢を乗せて泳ぐものだから作り手も妥協はできません。子育てにもじっくり時間をかけてほしいという思いでこつこつと作っています」。

 筆は職人の指先の延長であり、指先と同じ動きをしなければいけないものです。おろしたての筆は手になじみません。毎年こまめに使い、また寝かせてを繰り返し、筆先も自分が使いやすいようにカットして使っています。「筆は古くなればなるほど自分になじんだものだから、必ず何かの役に立つと思い、いつまで経っても捨てられませんわ」。

色あわせの参考にする原画の前で。「毎年同じものを作っていても進歩しませんので、何か1つでも改良を重ねるように努力しています」。
特集2
道具に見る
匠の仕事
表具師のハケ
綴れ織り職人の杼
鯉のぼり職人の筆
建具職人のノミ
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